
娘氏が保育園に入るために保育園に入れよう活動、いわゆる保活をしていたときの話です。だいたい1年半位前になります。
そのころと今と、待機児童問題という点において改善はされていますが、預けられない家庭が存在している…ということに対してそれほど変化はありません。
現在住んでいる自治体は待機児童問題を重要事項と捉えていただいているので、毎年かなりの数の認可保育所が作られています。しかし、それでもいまだに待機児童0人は達成できていません。
また、認証保育所においても例外はなく常に満員の状態です。都市部やその近郊では待機児童問題がまだまだ解決できていないのが実情です。
超売り手市場とは
保育士も売り手市場と言われているので、どの保育園も取り合いが続いています。絶対的に保育士の数が足りないのが待機児童問題の一因であることは間違いありません。
が、ここでは保育士ではなく、保育園を話題に取り上げたいと思います。保育園自体も売り手に有利な状況です。
要するに、
- 売り手:保育園 (少ない)
- 買い手:入園希望者(多すぎる)
という図式です。
売り手である保育園が絶対的に足りていないので、わかりやすいかと思います。要するに需要に対して供給が追いついていない、という状態です。
保育園に限らず、サービス提供側が足りていない…需要が多すぎる場合、そのサービスを受ける側、つまり保育園事情の場合は保護者であったり通常のお店などであれば消費者であるわけですが、何が起こるかというと簡単に言ってしまえばサービスの質が低下します。
つまり競合がいないのと同じ
競合他社が同じ商圏にいれば、うちがトップを目指すんだという競争意識からサービスの質が向上します。向上させなければ負けてしまって、その商圏で商売ができなくなってしまいます。サービスの質が悪い店に好んでいくような人はあまりいないですよね。
では保育園に当てはめてみるとどうでしょうか。例えば同じエリア内に3園あったとします。いわゆる競合がいる状態ではありますが、どの園も受け入れ人数よりも応募人数の法が多いわけですから、人を集めるための努力をする必要はありません。
だって、何もしなくても人がやってきて、絶対に取りはぐれることがないわけですから。待機児童がいる以上、需要があり続けるわけです。
ものすごくわかりやすい質の低下
娘氏を保育園に入れるために、近所で目星をつけていた6~7件の保育園を見学しました。しかし、このうちの3園ほどはサービスの質という点では明らかに落第でした。というかひどい。
- 見学の問い合わせを電話で確認するとなぜかキレられる
- そもそも電話の応対がまともにできていない
- 話が通じない
- 実際会ってみても横柄な態度
一番ひどかったのが、子供の体調が悪く合同説明会の予約を取るのが少し遅れてしまった際に相手側に言われたことです。
「待機児童が出ているのがわかっててこの時間電話ですか?ずいぶん今更ですね。子供のことを考えているんだかどうだか・・・」
的な内容をまくし立てられました。子供のことを考えているから予約電話が遅れたのに、何を言っているのか呆れるばかりです。
親として正直なところ、こういう対応をされる保育園に我が子を預けたいと思いますか?
パパ氏とママ氏はそうは思いません。はっきり言って不愉快なところに何で子供を預けなければいけないのか。そういう思いでした。
ひどい園の考えは、そんなことどうでもいいよ
電話対応や保護者を慮る、そういう考えはどうでもいいと思っている園があるのもまた事実です。そこに労力をかけなくても子供は集まるんです。待機児童たくさんなわけですから。絶対この園には入れないと思う親がいてもいいんです。他に代わりがたくさんいるのですから。
でも、対外的な受け答えも満足にできない園が、子供にちゃんと目を行き届かせて保育をしてくれるとは、どうしてもパパ氏たちは思えなかったんです。これは信頼という意味でもとても大きなことです。大事な子供を1日預かってもらうんですから相互の信頼が欠かせません。
待機児童問題とは

待機児童問題って、何が問題なのでしょうか。
- 子供を保育園に預けられないこと
- 仕事が再開できないこと
- 収入が確保できないこと
一般的に思われていることは、仕事するために子供を見てもらえない。ということですよね。確かにこれが一番大きな問題です。これを解決するためにたくさんの努力がされてきているわけです。
それ以外の問題で質の低下
パパ氏が思うに、上記の問題が一番の根底にあるのは間違いないですが、その上の段階として保育園を選択できない状況。ということがすごく問題だと思っています。
本来であれば、保育要項を確認して見学もして、保育園の保育テーマなどが我が子に合っているか。そういうところをきちんと確認して選択したいわけです。しかしそれができない。
こんな対応をしてくる保育園には入れたくない!と思っても、そこしか受からなかったら入れざるを得ないわけです。この状況があるからこそ、競合のいない状態と同じように質の低下を招く原因だと思っています。
これを解決するには
では保育園を選択できるようにするには、どうすればいいのでしょうか。これはもう明白、待機児童をなくすしかありません。根底にある問題を解決しない限りその上に乗っかっている問題は解決できません。
需要と供給を釣り合うようにしなければ、この問題は永遠に解けない迷宮です。
問題の根深さ
売り手と買い手、どちらが有利にせよバランスが大事。どちらかに傾くと、必ず有利不利が出てきて何らかの質の低下が起こります。バランスが大事ですがこれもなかなか難しいです。
しかし、保育園問題のようにあからさまな売り手市場でなければそんなに問題は出てきません。もちろん、すべての保育園がそうであるわけではありませんよ。
とはいえ、待機児童が大量に出ている昨今、保育園を選択する自由がない問題は後回しになってしまうのも仕方ありません。むしろ待機児童がいなくなれば、自然と解消する問題という言い方もできます。
そういう意味では、なかなか根深い問題であるとも言えます。解決に向けて次々に手を打っていると思われる自治体の施策をよく確認しておくこともとても大事なことです。